Don't hesitate to hesitate.

ただの記録

汚れても汚れないもの「セッちゃん」大島智子 書評

世界への興味が失われ、合理性や快楽をたよりに生きている人間が、ふとした瞬間に誰かの笑顔を願う。でもたいていその願いは理解されない。願う人間も一時、この願いはなんだったんだろうかと訝しむが、最後には忘れ去てしまう。

だけども、ときどき、その願いが誰かにばれてしまったり、あるいは願いの矛先がお互いに向けられてしまったりする。それは言葉にはならないものであり(言語化された時点で無効になる)、だからこそ勘違いが起こりやすいものであるが、ふと、「もう間違わないのかもしれない」となったとき、世界は新しいステージへと移行するのだ。

流星群

ひとりの女のことばかり考えている。彼女について欠点をあげればきりがない。顔についてはかわいく見えるが化粧が濃い。決して面白い話ができるわけでもない。無意識なのかなんなのか、失言は多い。彼女ではなくぜんぜん違うブスが同じ内容を話していたら、顔も見れないだろう。まだちやほやされたい感が出ている。本人がなんといおうと、本当にひとりで生きていけるのであれば、それを口にする理由なんかないはずだ。自分を永久にスポイルしてくれる男を捜しているのかもしれない。ちやほやされると声が大きくなる。女に嫌われるタイプでもある。

 

しかしそれでも、僕は彼女に参ってしまっている。何度か飲みに連れ出しはしたのだが、攻めあぐねている。さらに、僕が本当に彼女のことが好きなのか、完全な確信がまだない。ただ色気に参ってるのか、将来も含めきっちりするつもりがあるのか。いや、つもりはともかく、ちゃんとするのだと覚悟を決め、人生を終えられるのか、だ。

 

僕はコミュニケーションについては妥協をしてきたのだろうか。妥協しすぎたせいですべてを忘れてしまい、相手の話す内容がどうであるかなんて関係なく、色気だけに惹かれているのだろうか。誰としゃべってもぜんぜん面白くないのだろうか。自分の言葉は絶対に届かないこと、知ってしまっているのだろうか。でもそれはただただ傲慢なだけな気もするのだ。

そして愛されたのであれば

朝の眩暈がひどい。自分の脳が夢を離れ、現実に同期するのに時間がかかる。誰かが書いていたように、夢の中にいる人間が夢から脱出するのは、原理的に不可能なのだ。いずれぼくも永遠に夢から醒めなくなるだろう。統合失調でも、アルツハイマーでも、死でもなんでもいい。待望だ。

 

夜、思い立って一乗寺までラーメンを食べにいった。鴨川沿いを6キロほどのぼる。それがまぎれもない現実であったかはわからないが、川沿いを走るのは気持ちよかった。いかんせんGWの京都はひとでごったがえしていて、人間不信とひきこもりがワンセットでやってくる。夜の自転車はそれらをすこしやわらげてくれる。

 

 

おととい夜、ぼくは好きでもない女とセックスしてしまって、それだけならいいのだが、相手がぼくともっといたがったのが目に見えてわかって、それが嫌で嫌でしかたなかった。もう二度と会いたくないと思う。会うべきでないと思う。それは僕自身の問題として解決できることだ(相手彼氏いるみたいだし)。なんとかしなければいけない。

 

でも「嫌で嫌でしかたない」という感情、女子中学生みたいですごいと思いませんか?まだそんな強い感情がはっきり自分の中に芽生えること、それに驚いてしまった。これは涙してもいいぐらい価値ある出来事だ。このことを誰かにわかってほしい。

感情

ホテルを出ると、早く女と別れたいと思ってる。ハエがぶんぶん飛ぶ繁華街を、何もしゃべらずに歩く。駅に近づいて、帰るそぶりを見せると、お腹が空いたなぞとつまらないことを言い出す。しょうがなく近くの洋食屋に入り、ハンバーグを頼む。待ってる間も、食べてる間も無口。僕はこの時間をものすごくストレスフルに感じている。それもかつてないくらい。もちろん自己嫌悪もある。

行きたいとこがあったらしいが、無視して帰った。もう二度と会いたくない。性欲にうちかたなくては。もしくは別の女を探さなくては。

 

別れたすぐあとの開放感よ。普段はとろいと感じている阪急電車でさえ、優雅だった。烏丸でおり、喫茶店で原りょうの新刊「それまでの明日」を一気に読んだ。前作が出たのが中学生のときで、当時はまっていたことを、ありありと思い出した。隔世の感はある。でも幸せだった。

 

不眠

3日ほど不眠が続いている。初日は職場の送迎会があったときで、飲んだせいか寝つきが悪かった。二日目は翌日の朝が早く、また歯がなんとなくきになって寝つけず。そしてゆうべは女の家に泊まりこんでた。朝、帰ってくるときタクシーに乗ったら、初乗り料金が安くなったぶんメーターがあがりやすくなってて、がっつり運賃をとられた。シャワーを浴び、職場にいって少し片づけはじめたが、全然集中できないことに気づいてカフェで一服して帰宅。そのまま自転車を譲りもらいにいき、防犯登録をして、チェーンに油をさし、山を越えて帰ってきた。家に着いたらYシャツをクリーニングへ。そして、ようやく、3時間ほど夢の中へ。起きてからスーパーにいき、簡単にうどんを作って食べ、現在に至る。

 

寝れるといいな、と思う。