Just a memory.

ただの記録

セックスと心、あるいはカオス

GWに久しぶりに女の子と寝た。前の彼女と別れて以来だから、丁度1年ぶりだ。

 

ロクな出会いではない。ここで書くのも憚られる。いっさい歴史を共有したわけでもなく、点と点の出会いとしてそれはあった。

 

ほれぼれするぐらいさっぱりした性格で、素で美人だった。渋谷で会い梯子しながら4時間ちょい居酒屋で飲んで、ヴィレバンでうろうろし、黒澤明が好きだとか言ってた。スピルバークとオリバー・ストーンしかわからない僕はうまく返事をすることができなかった。ともかくほとんど抵抗なくホテルに行き、ほとんど抵抗なく性行為に至った。かなり慣れている感じだった。太陽がほぼ真上もあがる、チェックアウトぎりぎりの時間にホテルを出て、さらに喫茶店で4時間ほどだべった。たいしたことは話していない。

 

ワンナイトラブで全然構わない。「好きな人としかやらない」という考えで貞操を保つより、あえて誰とでもよいからセックスをして、ああでもないこうでもないとカオスにまみれながら、本当にいい相手を見つけるのがベストだと思ってる。男も女もそうだ。しかしそこで、「何人斬り」的な自慢、今まで関係を持った女に感謝、ビッチでどうのこうの、的な余計なものを持ち込んでくる人間が多く、そうなると最低のクズになる。好きでもないし未来を共有する気もない女とやったとき、憑物が落ちる側面を僕は認める。ただしかし、そんなんで幸せになれるはずがないという自明すぎる事実について思い悩むべきであり、それがなけりゃ死んだほうがいい。

 

さて、ただ今回はこんなオチである。

帰り際江ノ島に行き、写真を送って、わーすごい的な返事がかえってきた。それがまずかったようにも思う。その後、LINEが既読にならず、これがブロックなのかと僕は学習する。

お互いにとってお互いが交換可能な存在であり、その晩セックスする相手は君である必要もあなたである必要もなかった。だからブロックされたとしても僕がショックを受けることも傷つくこともないはずだ。どう考えてもそうなるはずだった。

 

しかしそういうことなのである。ツインベッドで、寝苦しくひとり自分のベッドに戻ってすこしたったあと、女が僕のベッドにもぐりこんできたことも覚えてる。朝起きてチェックアウトぎりぎりで、僕が出る支度を整えているのにも関わらず、ゆっくりシャワーを浴び、裸で僕の横にやってきたのも覚えてる。僕は何一つおもしろいことを言えなかった。

 

最も肝要なことは決して言語化されること無く、ただの跡として残る。