Just a memory.

ただの記録

感情

ホテルを出ると、早く女と別れたいと思ってる。ハエがぶんぶん飛ぶ繁華街を、何もしゃべらずに歩く。駅に近づいて、帰るそぶりを見せると、お腹が空いたなぞとつまらないことを言い出す。しょうがなく近くの洋食屋に入り、ハンバーグを頼む。待ってる間も、食べてる間も無口。僕はこの時間をものすごくストレスフルに感じている。それもかつてないくらい。もちろん自己嫌悪もある。

行きたいとこがあったらしいが、無視して帰った。もう二度と会いたくない。性欲にうちかたなくては。もしくは別の女を探さなくては。

 

別れたすぐあとの開放感よ。普段はとろいと感じている阪急電車でさえ、優雅だった。烏丸でおり、喫茶店で原りょうの新刊「それまでの明日」を一気に読んだ。前作が出たのが中学生のときで、当時はまっていたことを、ありありと思い出した。隔世の感はある。でも幸せだった。