Just a memory.

ただの記録

呪うなかれ

ついていない人はどこまでもついていないという。大学には受からず、女にはふられ、交通事故を起こし、仕事がうまくいかず、鬱になる。努力を怠るような人ではなく、むしろ真面目にものごとにあたる性格であるが、ひとつひとつの作業で出てしまう失敗ーそれはどんな人間でも日々やってしまっているものーがいつも悪い方向へいき、人望を無くし、軽蔑され、最下流へと流される。

 

しかし、たとえ死んでいても、チャイコフスキーの重厚な弦楽に酔うことができる。春が来て色づく田園と小鳥のさえずりに涙することもできる。夏の夜の森で、遠い町の光と、汗だくのTシャツ、土のにおいに眩暈することもできる。

 

それゆえ決して自分の運命を呪うなかれ。